新しい学校への出願は、どの家族にとっても非常に重要で、感情的なステップのひとつです。書類や学業成績だけでなく、多くの学校、特に私立校・インターナショナルスクール・人気の高い公立校では、入学審査の一環として親子面接が求められることがあります。
この面接は単に子供だけを対象としたものではなく、家族全体の関係性や価値観、そしてご家族が学校コミュニティにどのように貢献できるかを見るものです。少し緊張するかもしれませんが、しっかり準備すれば、ご家族の良さを自然に伝えられる、有意義な対話の場にもなります。
以下にその方法を説明していますので、しっかりと自信を持って準備していきましょう:
1. 面接の目的を理解する
- まず最初に知っておいてほしいのは、入学担当チームはあなたを困らせようとしているわけではない、ということです。家族面接は、次のことを確認するための機会です:
- 子供の性格や興味をより深く理解する
- 家族の価値観や文化、教育に対する考え方を知る
- 家族が学校のコミュニティや理念に合っているかを見極める
- 保護者から学校への質問に答えることで、双方にとって合っているかを確認する
面接は「テスト」だと思うよりも、自然な「会話」の場として捉えましょう。
2. 学校について事前に調べる
良い面接は、学校への本当の関心と理解が反映されます。次のことに時間をかけましょう:
- 学校のミッションや価値観を読む
- 最近のニュースやSNS投稿をチェックして、学校の雰囲気を知る
- 教育方針を理解する(プロジェクト型学習に重点を置いているのか、伝統的な学問か、あるいは進歩的教育か)
- 子供が得意とする分野や活躍できそうな特別プログラム(アート、STEM、イマージョン教育など)を把握する
学校の提供するものと子供のニーズや興味を結びつけて話せると、「ただ幅広く出願している」のではなく「意図を持って出願している」と印象づけることができます。
3. 事前に子供と話す
- 子供の年齢によっては、面接が別々に行われる場合や、親子一緒に行われる場合があります。親子面接であっても、子供に直接質問がされることが多いです。次のことを一緒に準備しましょう:
- 好きな教科や趣味、学校で好きなこと・苦手なことについて話す
- どんな学習環境だと自分の力を最大限発揮できるかを考えるよう促す
- 次のようなよくある質問に対する簡単な答えを練習する:
- 「自分が誇りに思うことは何ですか?」
- 「学校以外では何をするのが好きですか?」
- 「この学校に興味を持った理由は?」
答えを丸暗記させる必要はありません。子供が自分らしさを自信を持って話せるようにサポートすることが大切です。
4. 家庭の子育て方針について話せる準備をする
面接官が知りたい核心のひとつは、あなたがどのように子育てをしているか、そして学校とどのように協力していくかです。
可能性のある質問として:
- 「ご家庭では、問題やしつけにどのように対応していますか?」
- 「お子様の教育において、ご自身はどのような役割を果たすと考えていますか?」
- 「どのような学校環境を求めていますか?」
正直にかつ振り返りながら答えましょう。学校は「完璧な親」よりも、自分を客観的に理解し、積極的に関わろうとする親を評価します。
5. 家族のストーリーを伝える
すべての家族には物語があり、あなたの家族の事も話す価値があります。次のことを考えてみましょう:
- ご家族ならではの特徴は何ですか?
- ご家庭で大切にしている価値観は何ですか?
- ご自身の背景や文化が、お子さんにどのような影響を与えていますか?
これは、他の応募者と差をつける絶好の機会です。学校は多様で包摂的なコミュニティを作ろうとしており、あなたの家族の本物のストーリーを聞くことで、学校側が家族の存在をコミュニティに重ねてイメージしやすくなります。
6. 練習はするけれど、やりすぎない
パートナーや友人と模擬面接を行い、緊張を和らげましょう。声に出して質問に答える練習をすることで、面接中に慌てずに済みます。ただし、すべてを台本通りにするのは避けましょう。本物で温かみのある答えの方が、暗記した答えよりも印象に残ります。
7. 快適ながらも、きちんとした服装で
フォーマルな服装は必須ではありませんが、清潔感があり、場にふさわしい服装であることが大切です。いわゆる「スマートカジュアル」を意識すると良いでしょう。場を大切にしていることが伝わりつつ、自分らしさも感じられる服装が理想です。
8. 質問を用意して臨む
ほとんどの面接では最後に「何か質問はありますか?」と聞かれます。必ず「あります」と答えましょう。
思慮深い質問をすることで、関心を持って参加していることや、よく考えていることを示せます。例えば次のような質問が考えられます:
- 「通われている方々が学校で特に気に入っている点は何ですか?」
- 「学年の移行期には、どのように生徒をサポートしていますか?」
- 「親の関わり方については、どのようなことを奨励していますか?」
これは情報を得る機会であると同時に、入学することだけでなく学校やコミュニティに関心を持っていることを示すチャンスでもあります。
9. 自分らしく臨む
何よりも大切なのは、自分たちらしくいることです。入学担当チームは、成長や学び、学校との協力に真摯に取り組む、ありのままの家族を求めています。もしこの学校が本当に合っているなら、無理に演じたり取り繕ったりする必要はありません。あなたの本物の姿こそが十分なのです。
最後に
親子面接は恐れるものではなく、家族としての自分たちを伝え、振り返り、つながるチャンスです。思慮深く、偽りない姿で準備をすることで、入学担当チームにあなたの応募の背後にある想いを伝えることができ、それこそが本当に大切なことです。
子供の幼稚園入園の場合でも、中学校や高校への進学であっても、この機会を通じて家族の価値観や目標、成長を祝福しましょう。