今回はインターナショナルスクール(以下、インター)にお子様を通わせる前に知っておかなくてはならないことを書きたいと思います。
日本では、小学校・中学期間の義務教育を保護者が子供に受けさせなくてはなりません。正しく書くと、義務教育とは国や政府、保護者などが子どもに受けさせなければならない教育のことを指し、日本では憲法第26条第2項にて「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする」と定められています。
日本人の子供の多くはこれに則り、学校教育法第1条で定められている学校(以下、一条校)に通っています。
ではインターはどうなのでしょうか。インターの大多数は学校教育法で定められた一条校として国から認められておらず、多くは学校教育法第134条に規定する各種学校として認められているか、又は無認可となっています。保護者が日本国籍を有する子を一条校として認められていないインターに就学させたとしても、法律で規定された就学義務を履行したことにはならないため、インターから公立の小学校や中学校への編入が認めてもらえない場合があります。では、一度インターの小学校へ通学させると、高校卒業までインターに通うしか選択肢が無いかというとそうでもなく、近年ではインターの認知も高まり、インターに通っていた子供も受け入れてもらえる私立中学・高校も増えてきています。
インターナショナルスクールの就学については文科省のHPに詳しく記載があるのでお時間がある時にご覧ください。
さて、我が家の場合は両親共に日本国籍で子供たちも全員日本国籍です。一番上の子供が小学校入学のタイミングで、夫婦で今後の進路について毎日議論しました。親として子供にベストな教育は何かを十分に悩み抜いた結果、少なくとも小学校3年生まではインターナショナルスクールへ通わせ、その後の進路については、希望するインターに入学できるかどうかや、子供の適正をみて判断しよう決めました。
日本でいう幼稚園年長の12月に、子供の進路先についての調査票が教育委員会から送られてきました。公立の学校に通学、私立の学校に通学、インターに通学など選択項目としてあり、「インターに通学」を選択した場合はその理由についても記載が必要でした。我が家は「インターに通学」を選択し、理由についても記載し提出しました。
その後、同じ年度の2月末に教育委員会から、インターに通学する場合は「就学義務違反」となること、さらに、公立の中学への入学ができないことや、日本の高校への入学もできない場合がある旨が記載された文章が送られてきました。最後通告のような内容で、これには私達も戸惑いましたが自分たちの出した結論に従い、そのままインターナショナルスクール教育の道を選びました。
話は逸れますが、こんなにも日本がインターナショナルスクールを頑なに認めないのは何故なのか、不思議に思いますが、他国でもグローバル化が進む中でインターナショナルスクールへの人気が高まり、こういった母国からのプレッシャーのようなものが特に非英語圏の国で多いようです。様々なバックグラウンドや考えを持つ多様な生徒達と一緒に学んでいく方が柔軟な価値観を持つ人材が育ち、結果、国を豊かにし国力を高めると信じています。
子供をインターナショナルスクールの小学校で学ばせることを選択する場合は、上記のような手順が発生します。小学校の間はインターナショナルスクールに通い、日本の中学受験を経てインターナショナルコースなどがある私立中学への進学を希望するご家庭もいらっしゃると思います。一方で、昔よりも格段に帰国子女やインター生が増えており、帰国子女枠での受験も年々難易度が増してきていますので注意が必要です。ご家庭の状況やどんな教育をお子様に受けさせたいか時間が許す限り検討いただき、様々な選択肢がある中で皆様にとってベストな選択ができるよう、私たちISA-Tokyoも一緒にお手伝いさせていただきます。